先生と呼ばれて(山本理)

戸田ゼミコラムのアーカイブです。このコラムはすでに連載を終了されています。

2014年11月

日本はこれから高齢化社会で
ムズカシイ時代になると云われることが多いですが、
いろいろな分野で
行き詰まりが出てきている現象の一つでしょうか、
本屋さんに行って
今話題になっている本を手にとって、
パラパラページをめくってみても
なんだかピンときません。

本当にみんなおもしろいのかな、
菊池寛のほうが
よっぽど面白いのにと思ってしまいます。

歌ひとつとってみても、
愛、勇気などの言葉の羅列で
今の歌は情景が浮かばないから
情緒というものもありません。

35歳の私ですが、
やっぱり村下孝蔵やかまやつひろしはいいなあと思います。

前回もチョコット書いたように
私は今の日本で一番おもしろい文章を書くのは
安部譲二だと思っていますが、
先日思いあまって、
ご本人のホームページへメールを出すとなんと返事がきました。
実は半年程前にもラブレターを書いたのですが、
まさか御本人から直接くると思ってなかったので、
嬉しさのあまり、頭がボーっとしてしましました。

そういえば、
私が安部譲二の名前を知ったのは
小学校5年生のことだとふと思い出しました。
当時通っていた将棋道場に置いてあった
『将棋マガジン』と云う雑誌で
トッププロと二枚落ちの
12番勝負を戦う姿を目にしていたのです。

「二枚落ちは、
プロが両手を縛っているようなものだから
勝てる筈なのに・・・・」というくだりや
大きな体をよじって悔しそうにしている
写真もあったように記憶しています。

講演会があったら行きたいのに
最近はあまりお呼びがかからないとありました。
本当に賢い人は
賢くないフリをしているから、損するんだな。
ヨーシ、こうなったら私の塾が主催者になって
講演会が出来るようにしてみせよう、
引き受けてもらえるぐらい
大きくならないと無理だろうけれど、
謦咳に接したい。
そんな気持ちになって、
仕事に励もうと思いました。

総理総裁になる前の頃だったか、
ある漫画が麻生元首相の愛読書だと
耳にした中曽根大勲位が、
それならばと手にとってみたところ
憤然とされたそうですが、
リップサービスであっても立場のある人の言動が
世間に及ぼす影響は大きいようです。 

それと云うのも、
塾では家で本を読むことを勧めていますが、
そういった時に、 生徒や親御さんから
漫画も読書に入るのかと云った
質問が出ることが度々あるからです。

私は手塚治虫とか藤子不二雄、
長谷川町子などの本は
情操教育の一環としては
誰もが読んでもいいと思うし、
作者のモノの考え方や思想が
そこから吸収出来るような漫画は、
一つの作品だとは思いますが、
本を読むのは、
知識を得るのとともに
自分で考える練習をする土台になるのだから、
いい漫画でも読書とは
また少し違った意味合いを持っていると思っています。

私は安部譲二のファンなので、
マンガよりも
安部譲二の本とホームページをおすすめします。

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